研究科・コース紹介
研究科長あいさつ
「専門性と研究力を高めよう」
現代の福祉課題
現代の社会福祉サービスの基本は、「人間の尊厳」の保持、「自立」の支援、「共生社会」の創造である。
それは、困難を抱えている人が主体的な生き方を実現することであり、その人のWell-Beingを追求することにある。社会福祉サービス提供者は、現代社会の変化および個人の意識と欲求の多様化にあって、これら三つの基本理念を実現する使命が課せられている。
福祉の「市場化」と福祉経営のコンピテンシー
1990年代後半から始まった社会福祉サービスのあり方改革は、行政の「措置」制度から利用者がサービス提供者と対等の立場でサービスを選択し契約する仕組みになり、利用者との水平関係がより明確になった。
また、量的および質的に増大する福祉需要に対応するために、社会福祉サービス供給主体(提供者)の多様化が行われ、社会福祉の「市場化」が展開された。そのため、サービス提供者は、「措置」制度の時代とは異なり、創意工夫や経営戦略が強く求められる環境
となっている。具体的には、経営理念の事業への反映、マネジメント力の高度化、利用者満足度の向上、マーケティング等の経営手法上の課題に直面し、経営者および管理者にはそれらの高度なコンピテンシーが求められている。
心の問題への対応
さらに、昨今の職場のメンタルヘルスや教育の現場および福祉の領域等において、心理支援をする人材が必要となっている。これらの課題に対応する人材を養成する心理臨床コースでは、そのコンピテンシーの修得と、公認心理師資格取得の国家試験合格の100%を
目指して、入学時から受験対策を行っている。
専門性と研究力の高度化
私たちの大学院は、このような多様化する社会福祉の方向性の認識と、社会福祉の基本を基盤にして、時代が求める実践と理論の教育を行っている。認定社会福祉士の認証研修をはじめとして、社会福祉の専門性の高度化と研究力の強化を目指す。